ネット広告ガイド
♯01クリエイターインタビュー 渡辺 英輝 (4/4)
ビーコン コミュニケーションズ株式会社
インタラクティブ クリエイティブ ディレクター
渡辺 英輝氏
(インタビュー・平田 順子)
(2008年9月3日)
クリエイティビティは人間の行動に影響を及ぼす最大の武器
渡辺:人間の行動に影響を及ぼす最大の武器は論理ではなく、クリエイティビティだと考えています。私が愛用している「ほぼ日手帳」には、色々な人の名言やギャグなどが書いてあるのですが、そのなかに「発明とは99%の努力と1%のひらめきである」というエジソンの有名な言葉を日本人は誤解していると書いてありました。努力が大事なのだと思われがちだけど、本当のところは、新しいものは1%のひらめきがなかったら99%の努力は何の意味もないということらしいのです。僕らの仕事におけるクリエイティビティって、その1%の部分だと思うんですよ。
平田:99%の努力をよいものにするための1%ですか。
渡辺:そうそう。だから消費者に物を買ってもらうために、こういうメッセージを言うとよいと理屈で考えるのでは足りないんです。これからは感性の時代だと言われていますが、デザインとか感覚的に訴えかける、左脳では片付けられない右脳に響くようなものが重要なのですね。そこを大切にしていくことが、消費者に強く刺さるものを作るためのポイントですね。
達成目標は売上アップだとは限らない
平田:先ほどインターネット広告ではさまざまな目的を設定できると言われていましたが、必ずしも売上だけで効果を測るというものでもないのですね。
渡辺:僕らの仕事は、クライアントのマーケティングをお手伝いすることなので、もちろん究極的には売上を増やすことが目的になります。でもその前段階を目的と定める場合もあって。たとえばブランドイメージをアップするとか。
平田:それに成功した典型的な例は、「UNIQLOCK」などユニクロのサイトですよね。
渡辺:販促の目的ももちろん含まれているとは思いますが、「UNIQLOCK」の一番の目的は、グローバルブランドとして認められることですよね。だからあのプロモーションをやったことでどれだけ売上が伸びたのかというのは、私としては的を射ていない質問だと思っています。プロジェクトごとに目的をはっきりさせて、そのなかでしっかり評価するべきかと。ユニクロは弊社ではなくて他社さんが手掛けられた仕事なので悔しい部分もありますが(笑)、私は本当にリスペクトしています。自分たちもああいうことがやれるように頑張ろうと思いますね。
平田:いまクライアントさんが効果的なインターネット広告を作りたいと思ったら、達成する目的を見極めて、なおかつ多種多様なメディアでさまざまな表現ができる広告会社やWeb制作会社と一緒に仕事をするというのが一番の手ですね。
渡辺:インターネット広告だけでどうにかなる時代ではありませんので、広い視野をもってアプローチしたほうがいいと思います。従来型の広告モデルから新しいモデルに進化する過程にあるので、まだまだ前例が少ないのですが、そういうところにタックルしていく人材を弊社からもたくさん輩出していきたいですし、それができる可能性を持った人は業界内にたくさんいると思います。自分もさまざまなメディアを見渡して戦略を考えつつ、優秀な仲間たちともっとよい仕事ができるような土台を作っていきたいです。そして、消費者に本当に深く刺さる広告を作っていきたいですね。
渡辺さんのお気に入りグッズ
上の写真は、渡辺さんが最近インスパイアを受けた本です。一番手前は管理職としてのスキルを学べる「はじめての課長の教科書」(著・酒井 穣、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)、真中は渡辺さんが影響を受けたというアップル社CEOのスティーブ・ジョブズについて書かれた「Inside Steve's Brain」(著・Leander Kahney、Portfolio刊)、そして一番奥は海外で日常的に行われているナプキンの裏にアイデアを書いて説明するプレゼンテーションメソッドについて書かれた「THE BACK OF THE NAPKIN」(著・Dan Roam、Portfolio刊)。
平田 順子
フリーライター/編集者。「FLOOR net」編集部を経て、2005年4月よりWeb制作に関わる情報をトータルに扱う「Web Designing」編集部に勤務する。テクニカル記事やコラム記事の編集を手がけるほか、クリエイターインタビューやサイト紹介記事のライティングも行う。同誌には現在も外部スタッフとして関わる。
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