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♯01クリエイターインタビュー 渡辺 英輝 (3/4)

ビーコン コミュニケーションズ株式会社
インタラクティブ クリエイティブ ディレクター
渡辺 英輝氏
(インタビュー・平田 順子)
(2008年9月3日)

いまのトレンドは「インテグレイテッドマーケティング」

平田:クライアントさんからお仕事の依頼がくるときに、最近はどのような要望が多いですか。

渡辺:やはりインテグレイテッドマーケティングをやりたいというものですね。従来型のテレビ、雑誌、新聞やWebはもちろんのこと、店頭でのプロモーションやイベント、試供品のサンプリングなど、予算のなかで最大限の効果を出すためにはどの手法、どの組み合わせがよいかを考えます。

インテグレイテッドマーケティングを語る渡辺氏 

平田:テレビCMからWebに誘導するようなインテグレイテッドマーケティングも多くなっていますよね。

渡辺:手法的にはどちらかというと表層的な方向性だと思いますね。インテグレイテッドマーケティングをしていく際には、インタラクティブを中心に据えるべきだと思います。いまはまだ、インタラクティブな広告表現としては、PCやモバイルを使用するケースがほとんどですが、今後は店頭のデジタル看板など、街中や家の中などに多様化していくと思います。たとえばアメリカでは、屋外デジタル看板にカメラを取り付けて、その広告を立ち止まって見た人の性別や年齢層といった属性を独自のエンジンで解析するような広告も出現しています。そういった技術の進歩とともに、インタラクティブ広告はより重要な位置を占めるようになるでしょうね。

フォーカスして、シンプルに

平田:Webプロモーションで何を訴求したいのかを決めずに、「とりあえず何かやりたいんですけど」というクライアントさんがいらっしゃるという話をよく聞くのですが、渡辺さんもそのような経験はありますか。

渡辺:たまにありますね。Webは色々なことができてしまうので、ブランディング、販促、認知度の拡大など、効用もさまざまに考えられます。それをいっぺんにやろうとすると散漫な印象になってしまいがちですし、メディアとしての得意不得意もあります。たとえば予算があって、認知度の拡大を目指すならテレビCMのほうが確実に効果を得られると思うのです。そもそもインテグレイテッドマーケティングをやるメリットは、メディアごとに適した役割を果たすところにあるので。

平田:そうやって可能性が多くあるなかで、どの手法をどのように組み合わせるかというのは、何を指針に決めていくのでしょうか。

渡辺:私が尊敬するスティーブ・ジョブズがアップルに戻ったときには、いまよりも多くの種類の製品がありました。彼は縦と横に十字の線を引いて、デスクトップ、ラップトップ、コンシューマー、プロフェッショナルという4つのコンセプトに絞ったそうです。今の製品群で言うとコンシューマーのデスクトップはiMac、プロフェッショナルのデスクトップはMac Pro、コンシューマーのラップトップはMacBook、プロフェッショナルのラップトップはMacBook Proという具合に。それ以外のコンピューター製品はすべて製造中止。これからの時代を勝ち抜いていくには、そうやってシンプルにして、戦略的にフォーカスしていくことが大事なのだと思いました。

仕事中は音楽を聞いて集中するという渡辺氏 

平田:二兎を追う者は一兎をも得ずじゃないですが、目的は絞ったほうが効果的なのですね。

渡辺:うちのチームのスタッフにも、10個普通のことをやるよりは、2個に絞ってものすごいことをやるほうがいいんじゃないかということをよく話しています。

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