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♯01クリエイターインタビュー 渡辺 英輝 (2/4)

ビーコン コミュニケーションズ株式会社
インタラクティブ クリエイティブ ディレクター
渡辺 英輝氏
(インタビュー・平田 順子)
(2008年9月3日)

イメージを与えるだけではなく、体現する

平田:HumanKindの理念を取り入れた広告としては、どのような例が挙げられるでしょうか。

渡辺:弊社が担当させていただいている「NIKE+」がそうですね。

NIKE+ NIKE+

平田:ランニングシューズのデータをiPod nanoに転送して、タイムなどを記録できるという商品ですよね。

渡辺:そのデータをWebサイト上で公開することによって、世界中のNIKE+を使っているランナーのタイムを知ることができたり、彼らとタイムを競ったりできるようになっています。人は言葉によって影響される部分も大いにありますが、言葉よりも行動をもって示されたほうがもっと説得力を感じられますよね。従来の広告では、素敵なメッセージを伝えて消費者をインスパイアするという手法が一般的でしたが、それだけじゃなかなか響かなくなってきていますし。

平田:つまり、Webサイトを使ってNIKE+で走る新たな楽しみ方を提供し、NIKEのランニングは楽しいと実感してもらうということですね。

渡辺:体験を通して、実感してもらうのはとても重要です。こういう実感を持たせるマーケティングというのは、Webサイトとリアルな物をつなげると作っていきやすいんです。そうすると自ずと、インテグレイテッドマーケティング(複数のメディアを併用する総合型のマーケティング)になっていきますね。同様に弊社の案件を例に挙げますと、プレミアム ヴィダルサスーンのイベント「360°Snap」があります。

360°Snap 360°Snap

渡辺:「Fashion, Music, Vidal Sassoon」のテーマを体験してもらうために、数十台のカメラを使って360°の角度から撮影するステージ装置をイベント用に開発し、大阪のカラオケ店JOYSOUNDの前に設置しました。撮影したものは360°回転するムービーに瞬時に加工され、携帯のフラッシュ待ち受けにして参加者へプレゼントしました。

平田:こんなムービーを無料で撮ってもらえるというのは嬉しいですね。

渡辺:JOYSOUNDではカラオケSNSを運営しているのですが、そこに登録してヴィダルサスーンのCMに採用された安室 奈美恵さんのCMソングを歌うと点数が記録され、他のユーザーと競うこともできるようにしました。このようなブランド体験を通じて消費者の行動を促していくことに、今後もチャレンジしていきたいです。

Webサイトでも、バーチャルなフィジカル体験を

渡辺:先日東京インタラクティブ・アド・アワード(TIAA)で金賞をいただいた「NIKE ID」のキャンペーンは、フィジカルな体験をWeb上でいかに実感として捉えてもらえるかということに重点をおきました。

渡辺:JASARIというシューズはスワヒリ語で「恐れを知らない」という意味を持っていたので、我々は、「童心に返る」というコンセプトで恐れを知らなかったあの頃を表現しました。そのコンセプトを最大限感じてもらうために、JASARIのCMブログパーツが貼られたブログ間を映像視聴とともに物理的に駆け抜けるというフィジカルな体験ができる仕組みになっています。

平田:合成を使って、高い塔や橋の欄干の上、道路などを走っているムービーが面白くて、つい見入ってしまいますね。

渡辺:その自由な雰囲気から、童心に返るというメッセージを感じてもらえたらと思っています。「恐れを知らないあなたへ」みたいなコピーを付けるよりは、映像でJASARIを履いて走るというのはこういうことなんだというのを感じてもらいたいという考えです。

NIKE ID(公開終了) NIKE ID(公開終了)

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