ネット広告ガイド
P&G―プレミアム ヴィダルサスーンのキャンペーン舞台裏 (3/5)
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
インタラクティブマーケティングマネージャー
井上 慎也氏
(インタビュー・岩城 陸奥氏)
(2008年7月9日)
岩城:今回は、ファッションのトレンドを「60年代」「70年代」「80年代」に分けて、これらを現代のテイストにリメイクしたヘアとファッションで表し、安室さんの新曲を加えて表現されたとのことですが、こうした年代の区分けは、ターゲットの年齢に合わせて設定されたというよりは、これまでの流行のなかでかっこよかったところをピックアップしたということでしょうか。
井上:ファッションや髪形のトレンドは、何十年かごとのサイクルがあって、そのなかでキーとなるマイルストーンが「60年代」「70年代」「80年代」だったととらえています。パトリシアさんとオーランドさんが、世界中のコレクションやブランドに日々触れるなかで、「こういうものが過去にあったからこそ、今のトレンドがある」というような流れを話し合い、そこからコンセプトをくみ取って現代風にアレンジしています。
60年代、70年代、80年代それぞれのコンセプトと映像を公開
日本人でファッションに敏感な方は、たとえパリコレで発表された有名ブランドのものであっても、そのままを身にまとうことはないでしょう。よい部分をエッセンスとして、自分流にアレンジして使われるわけですよね。そういう意味でも、この2人のコンセプトワークは非常にヴィダルサスーンの消費者行動とマッチしていると思います。
また、ファッショントレンドとは一度廃れたら終わりというわけではなく、何年かのサイクルで絶えず循環しているものです。たとえば、お母様が着ていた洋服を、娘さんが現代風にアレンジして着ているように、よいものは必ず形を変えて残ります。今回のキャンペーンにおいても、60年代など各年代は古いものを懐かしむための象徴ではなく、新たなトレンドを生むコンセプトとして発信しています。
岩城:ファッションにはサイクルがあるとのことでしたが、60年代、70年代、80年代の具体的なイメージは何だとお考えですか。
井上:ヴィダルサスーン氏がもともと言っていた、「ファッショントレンドは、(服装)ファッションと音楽とヘアスタイルからきている」というのが顕著に表れていたのが60年代、70年代、80年代だったのではないでしょうか。60年代はたとえばポニーテールに、ミニスカートなどわかりやすいですよね。
コンセプトの深みを、ユーザーが理解してくれた
岩城:こうして伺っていても、今回のキャンペーンは非常に深みと広がりがあり、内容的にもテレビCMだけで使うのはもったいないですよね。あらゆる意味でWeb向きだと思えます。
井上:そうですね。ただ、役割の明確化が重要だと思います。たとえば、テレビCMは幅広いリーチとブランド観とそのイメージ訴求による購買促進。Webサイトは、ブランド観を伝えるだけでなく、より深い情報を知りたい消費者が訪れてくれるので、そのニーズにマッチするよう他のメディアでは訴求しきれない深い情報提供を心がけました。プロフェッショナルたちが作り上げたテレビCMの撮影背景など、いろいろな素材をWebサイトのほうで公開しています。たくさん見てもらって、今回のコンセプトを多くの方に深く知ってもらえたらと思いました。いろいろな情報を公開できるという意味で、Webサイトは非常に表現豊かなツールといえますね。
岩城:テレビCMだと素材を数多く用意しておいても、そんなに使えませんよね。でも、コンテンツを豊富に用意しておけば、Webサイトでは消費者自身が見たいときに見られます。それは大きなメリットですよね。
今回のプロモーションのなかで、Webサイト作りについて、こだわった点をお聞かせください。
撮影の裏側など、充実したコンテンツが公開されています
井上:お客様が店頭にヘアケア製品を買いに行かれた際に、競合商品ではなくて、ヴィダルサスーンを選んでいただくようにするのが、今回のキャンペーンの目的です。プレミアム ヴィダルサスーンは従来よりもグレードアップしたのが最大の特徴ですから、高級感を出すことを念頭においたのも大きな特徴です。製品の新しいパッケージを見ていただいてもわかるように従来よりも高級感がありますし、Webサイトも高級感を訴求しました。
ただし、Webサイトとしての使いやすさを損ねてはいけない。そこはFlashや動画における最新機能の選別や、ナビゲーション設計などを消費者の理解とテスト結果をもとに、パートナーである広告会社と話し合いながら形にしていきました。それにしても、環境的なものを含めて、2~3年前と比べて本当にリッチな表現が可能になりましたね。
それでも、少々リッチすぎて重すぎるのでは? という懸念も当初はあったのですが、実際には深い階層の隅々まで読んでいただけていることがわかりました。普通はトップページに来たらすぐに帰ってしまわれる方が多いのですが、今回のキャンペーンサイトではコラボレーションビデオ、コンセプト紹介、製品説明など本当に長い時間をかけてじっくり見ていただけました。たとえば、ページビューは他のキャンペーンに比べて3~4倍高かったです。
お客様がヘアケア製品を買いに行かれた際に、競合商品ではなく、ヴィダルサスーンを選んでいただくようにすることがキャンペーンの主目的
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