ネット広告ガイド
アサヒビール−「うまい!」を体験していただくための広告展開 (1/5)
アサヒビール株式会社 酒類本部
マーケティング本部 宣伝部 チーフプロデューサー
横山 和幸氏
(インタビュー・岩城 陸奥氏)
(2008年6月18日)
アサヒビールでは、新製品を発売する際にインターネット上でサンプリングを実施しています。なかには数万人に当たる大規模なプレゼント企画を実施していますが、これは、多くの人に飲んでいただくことで、お客様との絆を構築することを重視されているからなのだそうです。こうしたキャンペーン戦略の真意と効果について、マーケティング本部 宣伝部 チーフプロデューサーの横山 和幸氏に伺いました。
■大規模キャンペーンを打つ理由
岩城 陸奥氏(以下岩城):アサヒビールさんでは、以前からテレビ広告も意欲的で、アサヒスーパードライのCMでは、落合 信彦氏が強烈な印象として残っています。広告をうまく活用されているように見受けられますが、インターネットの広告を組み合わせた全体的な広告コミュニケーション戦略を、どのようにお考えでしょうか。
横山 和幸氏(以下横山):インターネットに限らず、広告コミュニケーションとは、商品戦略を受け、店頭やさまざまな媒体を介し、お客様とコミュニケーションを図ることと考えます。媒体によってさまざまな特性があり、訴求すべきポイントについても差があります。プロダクトライフサイクルや、販売数量・販売施策などに応じ、媒体選定やそのクリエイティブについて、企業が一丸となって情報発信に取り組むことが広告コミュニケーションと考えます。
インターネットの特性としては、「他媒体よりも深い情報を使えることが可能」「双方向でのコミュニケーションが可能」ということではないでしょうか。「ビローザライン」(Below the Line)と「アバーブザライン」(Above the Line)の役割を認識し、使い分けることが現在の広告コミュニケーションでは必要と考えます。
そのコミュニケーションの一環として、実際に「商品を飲む」体験をしていただくキャンペーンがあります。この施策は、新商品の販売戦略においても大切なものだと考えています。わざわざサイトを訪問して、キャンペーンの応募やメール配信サービスを受けられるお客様に対して、弊社からは、発表前に商品を飲んでいただけるプレミアム感をご提供し、商品を実感していただければと考えています。
岩城:なるほど。媒体それぞれに特徴があるが、インターネットにおいては体験していただく機会を提供するのが大切というわけですね。それらを含めてクロスメディアを展開した場合には、全体的な枠組みはどのように変わってきていますか。
横山:そうですね。テレビであれば、15秒と表現の時間が短いですよね。そのなかでできることは限られていますので、Webサイトでは商品についての詳細やブランド、開発の背景・開発担当者の想いなど、テレビでは伝えられないようなところを紹介しています。作り手の熱い想いを伝えていきたいです。
岩城:御社のインターネットにおけるプロモーションを見ていると、必ずプレゼントを付けているようですが、これは、体験を提供する意図とのことですが、もう少し詳しくお聞かせ願えますか?
お客様の「体験」づくりを重視しているという横山 和幸氏
横山:先ほども申しあげましたが、「商品に接する」「実際に飲んで理解してもらう」ことを重視しています。なるべく多くの方に商品を飲んでいただく機会をつくるために、インターネットを活用しています。商品によって、プレゼントを数万名様分用意するなど、規模の大きいものもあります。
岩城:それは、商品ブランディングの一環と考えてよろしいのでしょうか。ブランディングとはいっても、単純に名前を連呼して刷り込むようなブランディングというより、むしろ体験することによって好きになってもらう。「ファン」になって商品の違いを理解してもらうというイメージでしょうか。
横山:そういうことになります。
岩城:キャンペーンのリピート率など、反応はいかがなものでしょうか。
横山:かなり高いです。分析してみると、お客様によって好みのカテゴリーやブランドが明確になっています。メールマガジンを月に2回発行していますが、以前行った調査によると開封率は世間一般よりも高いものでした。
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