ネット広告ガイド
広告効果を最大化するクロスメディアとは−日本コカ・コーラ (2/5)
日本コカ・コーラ株式会社
マーケティングオペレーション
インターラクティブ・マーケティング
統括部長 江端 浩人氏
(インタビュー・岩城 陸奥氏)
(2008年2月13日)
■若者との接点を増やすことを目的として、インターネットを重視
岩城:テレビ離れをした若者との接触を増やすため、若者がよく利用するインターネットが台頭してきたということでしょうか。
江端:そうですね。コカ・コーラでは「the Coke Side of Life」という若者をメインターゲットにしたグローバルキャンペーンを2005年から、日本だと2007年から展開しています。その重要な接点として、インタラクティブ性が強く、若者がよく使うインターネットを活用しました。このキャンペーンが契機となり、コカ・コーラ全体におけるインターネットに対する認識が改まった感があります。実際、私の所属しているインターラクティブ・マーケティングと同じような部署が、世界中の支社で同時期に新設され、専門の人材を外部から採用するようになりました。
岩城:江端さんが所属されている部署はいつごろ設立されたのですか?
江端:2年ほど前になります。設立にあたっては、お客様が見ている媒体に向けて、より効果的に接触できるようにしようという意味合いが強かったと思います。設立当初はすでに次年度の全体的な計画は決まっていましたので、そのお手伝いをする程度だったのですが、今年に入ってからは計画に主体性を持ち積極的にいろいろな挑戦をしています。おかげさまで、トラフィックを含めて、インターネットに対する弊社内での認知はかなり上がったと思います。他媒体を担当する部署と机を並べていることもあって、活発に情報交換をしながら常に新たな展開を検討しています。
コカ・コーラでは、「the Coke Side of Life」を共通テーマに掲げ世界キャンペーンを展開しています
岩城:「the Coke Side of Life」や専門部署の設立のお話は、コカ・コーラさんがインターネットでの展開をどれだけ重視しているか、よくわかるエピソードですね。「the Coke Side of Life」のお話を含めて、グローバル企業ならではの利点、悩み、工夫などはありますか。
江端:デメリットに比べて、メリットのほうが遙かに大きいと思います。ひとつには、世界中での導入事例を参考にできるという利点があります。「the Coke Side of Life」のキャンペーンを日本で開始したときには、すでに世界の数か国で導入されていましたので、多くのラーニングがあるなかで開始することができました。先行していた国でうまくいった手法だけを効率的に取り入れました。
もうひとつは、予算面で負担軽減ができる点ですね。各国の現地法人と予算をシェアすることによって、1支社の予算だけでは実現できないようなクリエイティブも制作できる。スケールメリットを享受できます。「the Coke Side of Life」のテレビCM「ハピネスファクトリー」がよい例ですね。CGアニメーションで制作されたこのCMは、制作予算を各国支社でシェアしたことで、非常にクオリティの高い映像に仕上がっています。
テレビCM「ハピネスファクトリー」は、自動販売機の裏側で繰り広げられる小さな奇跡を幻想的な映像で表しています。各国現地法人と予算をシェアすることで、少ない負担額で高品質の映像を制作できました
岩城:なるほど、メリットが大きいのですね。ところで、世界規模でプロモーションを行なう際は、どのような経緯で意思決定がなされるものなのでしょうか。
江端:プロモーションの内容はすでに決められています。「こういうプログラムがありますが、そちらの国でも導入しませんか?」という案内がアメリカ本社から来るケースが多いですね。ただし「ハピネスファクトリー」においても導入した国、していない国があるように、導入するかどうかについてはある程度各国支社の自主性が尊重される形になっています。
岩城:世界規模のスケールメリットを享受する一方で、日本独自のプロモーション展開も必要だと思いますが、それについては、どのようにお考えですか。
江端:日本が他国と大きく違うとしたら、それはモバイルの部分ですね。これだけモバイルを活用している人がいて、しかもWAP(Wireless Application Protocol:携帯端末向けの独自プロトコル)ではなく、インターネットに接続するテクノロジーが発展している国は、世界中どこを見ても日本の他にありません。ですから、モバイル活用に関しては、日本で先行事例を作っていく必要性がある。世界に発信していく立場ですから、なかなか大変です(笑)。
岩城:たしかに、モバイルに関して日本は独特な発展を遂げていますね。よく言われているのが「日本ガラパゴス説」。日本だけが別ベクトルに発達して、いろんなものができてしまう。携帯電話も完全に世界標準とは別に、端末だけが発達しているという状況になっています。よい面も悪い面も含め、これは課題となっていますね。
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